介護予防のため高齢者が集う場所「げんきかい」を運営するひなげしの会
古くて新しい18年来のコミュニティ
地域の高齢者が集まり、介護予防や認知症予防の活動を行っている「介護予防グループ」の1つ、「げんきかい」は、ボランティア団体「ひなげしの会」が運営し、2020年で活動開始から丸18年になります。
「げんきかい」への参加は、住まいの地区の制限を設けておらず、興味があればどなたでもOK。以前からお互いのことをよく知るご近所さん同士で交流する安心感を好む方がいらっしゃるのと同じように、仕事をリタイアして新しい出会いや交流を楽しもうという方もいらっしゃいます。そのような方にとってげんきかいの参加者の多様性もまた、魅力の一つになっているようです。
「げんきかい」は「ひなげしの会」が運営を担い、「運営者」と「参加者」が区分されています。それにより、運営者は運営に専念、参加者は参加者同士の会話やゲームに集中して楽しめます。そして、年会費のある会員制ではないため都合のつく時にだけ参加して1回分の参加費を払えばOKという手軽さもあります。
活動では参加者同士でトランプやマージャン、おしゃべりなどを楽しみ、終始和やかな雰囲気で笑顔が絶えません。「最初はほとんど誰も知らなかったけれど、今では友だちがたくさんできて、トランプを楽しみに毎週来ています」「運営してくれているスタッフの方にとても感謝しています」と皆さんとても楽しそうです。
月に1回の「カルチャー教室」
月に1回の「カルチャー教室」ではプロアマ問わず、地域で活動されているミュージシャンや落語家、料理人など様々な方を招いての演奏会やワークショップを開き、それを楽しみにされている参加者もいらっしゃるようです。
「介護予防」という言葉を聞くと固いイメージがあるかもしれませんが、お邪魔してみると本当に楽しそうな雰囲気が伝わってきました。また、和やかな雰囲気のなかにも、運営するスタッフが参加者の皆さんを尊重する姿勢が伝わります。運営スタッフは参加者の皆さんの喜ぶ姿や「ありがとう」の言葉に、充実感・達成感を感じています。
若者が運営する他団体ともコラボ
今後は新たな取り組みとして、「世代の垣根を越えて高齢者と若者の交流の場を作る活動も行っていきたい」と代表の阿部さんは語ります。昨年末には、世代間交流を意識して人と人を取り持つ「とりもち会」の協力により、お酒やお茶を片手に地域の方の話をきく「雑談会」というイベントを主催。SNSを使った告知を行い、ウェブサイトでの参加者受付も行いました。他の世代、他の団体とも積極的に関わる柔軟さもこの会の魅力かもしれません。
この記事はLOLLUBAS2020(冊子版)に掲載された内容です。