
はじまりは 思いと人と場所
「ポップイン」は、「ちょっと立ち寄りませんか」という意味です。「ポップインの会」の代表である宮本桂子さんは、「地域の中で気軽に立ち寄り、つながりが生まれる場所を作りたい」という想いを抱いていました。地域の飲食店のTAREZOの小室純平さんと出会い、具体的な活動のイメージが固まりはじめたころ、ちょうどそのタイミングで、地区社会福祉協議会の渡辺達也会長から、伊達神社近くの公民館・宮前会館で地域交流ができないか、と相談を受けました。構想をさらに具体的に考えるなかで徐々に賛同者が増えていき、多くの協力を得ながら2023年12月25日、宮前会館にて第1回目を開催することができました。
つながりと支え合いによる運営
ポップインの会では、食材の調達も地域とのつながりの中で支えられています。「フードバンクゆめみ~る」の支援、「ねこの手ちょこっと」の金田光弘さんをはじめとする農業関係者・生産者の方々や、さまざまな方から食材の寄付をいただいています。さらに、北海道伊達市「伊達まちこども基金」、「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」の助成も受け、地域の輪が広がっています。
地域の食堂で広がるコミュニティ
ポップインの会が運営する地域食堂は、最大約50人が座れます。主に食事の提供に加え、多世代が交流し、さまざまな体験ができる場です。すでに市外から訪れる人もいて、子どもたちの多学年交流や世代を超えたつながりが生まれています。また、国際交流活動を行う「そだっと」ともコラボしています。もし他の地区でも地域食堂を作りたいと考える人がいれば、その手助けもしたいと思っています。
やっていて楽しいこと
「ポップインの会を運営する中で楽しいと感じるのは、初対面だった人たちが、次に会うとすっかり仲良くなっているのをみたときです。また、役割分担が自然と生まれ、それぞれの得意なことを活かしながら関わることができるようになってきました。」と宮本さんは言います。「できることをできる人がやる」――このシンプルなスタイルが、地域食堂の運営を支えています。
食材を活かしたメニューと食の体験
毎月のメニューを考えるのは大変ですが、いただいた食材を活かしながら「伊達野菜」を中心に組み立てています。また、子どもたちが調理を体験し、自分で作ったものを食べる体験の機会も設けています。例えば、ほうれん草の胡麻和えでは、子どもたちが自分で和えることで、普段は食べない野菜でも食べるようになります。他にも、切り干し大根、干し柿、ドレッシングづくり、さくらもち作りなど、さまざまな食の体験を行っています。
これからもつながりを広げて
地域に「そこへ行けば、何かがある」そんな居場所を作りたいと考えています。多世代・異文化交流の中で、マナーやルールを知ることができる。自分のもつ知識を誰かと共有できる。そんな場を「食べる」を通してできたらいいなと考えています。
もし興味があれば、まずは一度、ポップインしてみませんか?
この記事はLOLLUBAS2025(冊子版)に掲載された内容です。
